Bluetooth は「近距離の無線通信」

ワイヤレスイヤホン、ゲームのコントローラー、スマートウォッチ。ケーブルなしでスマホとつながるこれらの機器は、すべて Bluetooth (ブルートゥース) を使っています。

Bluetooth は、約 10 メートル以内の近距離でデバイス同士をワイヤレスでつなぐ技術です。Wi-Fi がインターネットに接続するための技術なのに対し、Bluetooth はデバイス同士を直接つなぐための技術。目的が違います。

ちなみに「Bluetooth」という名前は、10 世紀のデンマーク王ハーラル・ブロタン (Harald Bluetooth) に由来します。彼がスカンジナビアの部族を統一したように、異なるメーカーのデバイスを統一規格でつなぐ、という意味が込められています。Bluetooth の名前の由来で詳しく解説しています。

Bluetooth と Wi-Fi の違い

項目 Bluetooth Wi-Fi
目的 デバイス同士を直接つなぐ インターネットに接続する
通信距離 約 10 m (Class 2) 約 50〜100 m
速度 最大 3 Mbps (Classic) 数百 Mbps〜数 Gbps
消費電力 非常に少ない 多い

Bluetooth は速度では Wi-Fi に大きく劣りますが、消費電力が圧倒的に少ないのが強みです。だからワイヤレスイヤホンが小さなバッテリーで何時間も使えるのです。

Bluetooth の身近な使い方

  • ワイヤレスイヤホン・ヘッドホン: AirPods、Galaxy Buds など。音楽や通話をケーブルなしで
  • ゲームコントローラー: Nintendo Switch の Joy-Con、PS5 の DualSense
  • スマートウォッチ: Apple Watch、Fitbit。スマホの通知を手首で確認
  • ファイル共有: AirDrop (iPhone 同士)、Nearby Share (Android 同士)
  • テザリング: スマホのインターネット接続を他のデバイスに共有
  • 忘れ物タグ: AirTag、Tile。カバンや鍵に付けて位置を追跡

Bluetooth のバージョンと進化

バージョン 主な進化 対応機器の例
4.0 (2010) BLE (低消費電力) 対応 フィットネストラッカー
5.0 (2016) 通信距離 4 倍、速度 2 倍 AirPods、スマートホーム機器
5.3 (2021) LE Audio 対応、複数デバイスに同時配信 最新スマホ、補聴器

最新の LE Audio では、1 台のスマホから複数のイヤホンに同時に音楽を送れるようになりました。友達と一緒に同じ音楽を聴く、なんてことが簡単にできます。

Bluetooth のセキュリティ

Bluetooth は便利ですが、セキュリティ上の注意点もあります。

  • 使わないときはオフにする: Bluetooth をオンにしたままだと、周囲のデバイスから検出される。バッテリーの節約にもなる。モバイルのプライバシー設定と合わせて見直すのがおすすめ
  • 知らないデバイスからのペアリング要求を拒否: 「ペアリングしますか?」と表示されても、心当たりがなければ「拒否」を選ぶ
  • 公共の場での AirDrop に注意: 受信設定を「連絡先のみ」にしておくと、知らない人からの送信をブロックできる

MAC アドレスによるトラッキングのリスクもあるため、不要なときは Bluetooth をオフにする習慣をつけましょう。

Bluetooth の豆知識

  • Bluetooth のロゴはハーラル王のイニシャル (ルーン文字の H と B) を組み合わせたもの
  • 2.4 GHz 帯を使うため、Wi-Fi や電子レンジと干渉することがある
  • 世界で年間 50 億台以上の Bluetooth デバイスが出荷されている

Bluetooth の仕組みをもっと知りたい人は、ワイヤレス技術の入門書がおすすめです。IP 確認さんで自分のネット接続を確認してみましょう。

この記事の関連用語

Bluetooth 約 10 メートル以内の近距離でデバイス同士をワイヤレスでつなぐ通信技術。イヤホン、コントローラー、スマートウォッチなどで使われる。 Wi-Fi インターネットに接続するための無線技術。Bluetooth より高速だが消費電力が大きい。 暗号化 データを第三者が読めない形に変換する技術。Bluetooth もペアリング時に暗号化を行い、通信を保護している。