Bluetooth はバイキングの王様の名前
スマートフォンとワイヤレスイヤホンをつなぐ「Bluetooth」。この名前が、10 世紀のデンマーク・ノルウェーの王様に由来していることを知っていますか?
ハーラル・ブロタン - 「青い歯」の王
Bluetooth の名前は、デンマーク王ハーラル 1 世 (Harald Bluetooth、910〜987 年頃) に由来します。「Bluetooth (青い歯)」はハーラル王のあだ名で、死んで変色した歯があったとも、ブルーベリーが好きで歯が青く染まっていたとも言われています。
ハーラル王は、争っていたデンマークとノルウェーの部族を統一したことで知られています。この「異なるものを一つにまとめた」という功績が、Bluetooth 技術の名前の由来です。
Bluetooth 技術は、異なるメーカーのデバイスを一つの無線規格で接続することを目指して開発されました。「異なるデバイスを統一する」という目的が、「異なる部族を統一した」ハーラル王と重なったのです。
Bluetooth のロゴもバイキング由来
Bluetooth のロゴ (青い楕円の中の白い記号) は、ハーラル王のイニシャルをルーン文字で組み合わせたものです。
- 「ᚼ」(Hagall) = H (ハーラルの H)
- 「ᛒ」(Bjarkan) = B (ブロタンの B)
この 2 つのルーン文字を重ね合わせたのが、あの見慣れた Bluetooth のロゴです。次にスマートフォンの Bluetooth アイコンを見たら、1,000 年前のバイキングの文字が隠れていることを思い出してください。
Bluetooth はもともと「仮の名前」だった
1996 年、Intel、Ericsson、Nokia の技術者たちが新しい無線通信規格を開発していました。Intel のエンジニア、ジム・カーダック氏が、歴史小説でハーラル王のことを読んでいたことから「Bluetooth」というコードネームを提案しました。
正式名称は別に決める予定でしたが、候補だった「RadioWire」や「PAN (Personal Area Network)」は商標の問題で使えず、発表期限に間に合わなかったため、仮の名前だった「Bluetooth」がそのまま正式名称になりました。
Wi-Fi の名前も「仮の名前がそのまま定着した」パターンですが、Bluetooth も同じ経緯を辿っています。
Bluetooth の意外な仕組み
- 周波数ホッピング: Bluetooth は 2.4 GHz 帯の 79 チャンネルを 1 秒間に 1,600 回切り替えながら通信する。これにより、Wi-Fi との干渉や盗聴を防いでいる
- 到達距離: Class 2 (スマートフォンに搭載) は約 10 m、Class 1 (産業用) は約 100 m
- 消費電力: Bluetooth Low Energy (BLE) は、ボタン電池 1 個で数年間動作できるほど省電力。Apple の AirTag や忘れ物トラッカーに使われている。ただし BLE ビーコンはモバイル端末の追跡にも利用されうるため、プライバシーへの配慮が必要
- バージョン: 現在の最新は Bluetooth 5.4。初代 (1.0) から速度は約 100 倍に向上
まとめ
Bluetooth の名前は 10 世紀のデンマーク王ハーラル・ブロタンに由来し、ロゴはルーン文字の H と B を組み合わせたものです。「仮の名前」が正式名称になったという経緯も含めて、テクノロジーの名前には意外な物語が隠れています。
Bluetooth はインターネット接続には使われませんが、Wi-Fi やモバイル回線でインターネットに接続する際には IP アドレスが割り当てられます。自分の接続環境がどうなっているか気になる方は、IP 確認さんで現在の IP アドレスや接続情報をチェックしてみてください。
無線通信技術の仕組みを体系的に学びたい方には、無線通信の入門書が参考になります。