1990 年代の Web サイトを見たことがありますか
Wayback Machine で 1990 年代の Web サイトを見ると、現代の感覚では衝撃的です。蛍光色の背景、点滅するテキスト、回転する GIF アニメーション、工事中のアイコン、訪問者カウンター - なぜ昔の Web サイトはあんなにダサかったのでしょうか。
実は、当時の技術的制約を考えると、あれが「最先端」だったのです。
1990 年代 - HTML だけの時代
Web の初期 (1991〜1996 年頃)、Web ページは HTML だけで作られていました。CSS (スタイルシート) はまだ存在せず、デザインの選択肢は極めて限られていました。
- 背景色は HTML の
bgcolor属性で指定。微妙な色調整は困難 - レイアウトは
<table>タグで組む。テーブルの入れ子で複雑なレイアウトを実現 - フォントは訪問者のパソコンにインストールされているものしか使えない
- 画像は GIF か JPEG のみ。透過 PNG はまだ普及していない
「点滅するテキスト」は Netscape Navigator が独自に実装した <blink> タグで実現されていました。当時は「動くテキスト」が新鮮で、多くのサイトが多用しました。
2000 年代 - Flash の全盛期
2000 年代に入ると、Adobe Flash が Web デザインを一変させました。アニメーション、音楽、ゲーム、動画 - Flash を使えば何でもできました。
- サイト全体が Flash で作られた「フルフラッシュサイト」が流行
- 派手なイントロアニメーション (「Skip Intro」ボタン付き) が定番
- Flash ゲームサイトが大人気 (Newgrounds、Miniclip など)
しかし Flash には問題がありました。検索エンジンが Flash の中身を読み取れない (SEO に不利)、セキュリティの脆弱性が頻発する、モバイルデバイスで動作しない。2010 年、Apple の Steve Jobs が「iPhone は Flash をサポートしない」と宣言し、Flash の衰退が始まりました。2020 年末に Adobe は Flash のサポートを完全に終了しました。現代の Web サイトでは Flash の代わりに HTML5 と JavaScript が使われ、セキュリティヘッダーによってブラウザレベルでの防御も強化されています。
2010 年代〜現在 - CSS と JavaScript の時代
現在の Web デザインは、HTML + CSS + JavaScript の 3 つの技術で成り立っています。
- CSS3: アニメーション、グラデーション、影、角丸など、Flash なしでリッチな表現が可能に
- Web フォント: Google Fonts などで、どのデバイスでも同じフォントを表示できるように
- レスポンシブデザイン: 1 つのサイトで PC・タブレット・スマートフォンに対応
- フラットデザイン: 2013 年の iOS 7 以降、立体的なデザインからシンプルなフラットデザインが主流に
「ダサい」は時代の産物
1990 年代の Web デザインが「ダサい」のは、当時の技術的制約の中で最善を尽くした結果です。そして、現在の「洗練された」デザインも、20 年後には「古臭い」と言われるかもしれません。
面白いことに、最近は 1990 年代風のレトロな Web デザインが「あえてダサい」スタイルとして再評価されています。ピクセルアート、蛍光色、訪問者カウンター - 懐かしさと新鮮さが同居するデザインが、一部のクリエイターの間で人気です。
まとめ
Web デザインは、HTML のテーブルレイアウト → Flash の全盛期 → CSS + JavaScript の時代と進化してきました。昔のサイトがダサく見えるのは技術的制約の結果であり、当時は最先端でした。Wayback Machine で昔のサイトを見ると、Web の進化を実感できます。現代のブラウザがサーバーに送信している情報も、1990 年代とは比べものにならないほど多彩です。IP 確認さんで、今のブラウザがどんな情報を送っているか確認してみると面白いでしょう。
Web デザインの歴史と進化を学びたい方には、Web デザインの入門書が参考になります。